電動ラジコン飛行機

Pitts S1 主翼の作り直し

00/01/05

主翼を作り直しました。翼型は完全対称翼のNACA009です。(キットはクラークYでした)翼厚が前の翼と同じもので薄めの翼ということでこれを選びました。翼幅等は変えず。翼型と上反角を変えました。上反角はキットではかなり付いていましたが今回は1度程度です。0度にしようかと思ったのですが、今回は少し付けておこうと思い、1度にしてみました。主翼の取り付け角度は水平尾翼を0度とした場合、上翼が+0.5度、下翼が+0.5度としました。上下翼とも同じ角度です。また、上翼を下翼より少なめにすると聞きましますが、今回は同じにしてみました。

I re-making wings, kits wing form(shape) is clerk-Y that normal flight is good, but acrobatic flight is not good. new wing form(shape) is NACA009. new wing is good than old wing. I suggest re-making to NACA009 wing, if you want acrobatic flight.

生地完成の主翼

よく、主翼の前縁部分の形状がとても重要との話しを良く聞きます。キットではこの前縁部分は既に奇麗に削られていましたが、今回は10mm×10mmの角棒からの削り出しなので、その部分の形状をしたものを厚紙で作り、これにあわせて確認しながら削りだしました。(これはちょっと疲れました)

a gauge for sanding the front of wing, because the front curve is very impotant.

前縁のジグ

バルサ等はできるだけ軽量なものを使用するようにしました。結局前の主翼より軽量に作成することができました。上翼(フィルム完)が132g→92gへ-40g、下翼が185g(フィルム、サーボ組み込み完)→150gへ-35gと合計-75gの軽量化ができました。フィルム、サーボ等はまったく同じなので、この軽量化がバルサの材料のみによる軽量化です。確かにキットのバルサ材はかなり硬い(重たい)ものでした。バルサ材でこんなに差がでるのですからびっくりです。これ以上材料による軽量化は無理な感じです。
で、結局、バッテリ無しの全備重量が1275gとなりました。(実際にはパイロット等で重量が増していた)バッテリ(14N-1250)が640gなので現在の全備重量は1915gです。

エルロンのリンケージ

それと、上と下翼のエルロンの連結ロッドのことですが、このロッドのホーンのエルロンの取り付け位置を上下同じ位置にすると、上下翼が前後にずれている関係で、以下の図のようにエルロンの中心位置とロッドの延長線上を見た場合、AとBの分の距離が異なってしまいます。これはどういう意味かというと下翼のエルロンの打角より、上翼のエルロンの方が多くなってしまいます。(上下同じの打角になりません)対策は下翼のエルロンホーンの取りつけ位置を前縁方向位置にすることです。

新しい主翼でフライトしてみて

2000年1月2日のクロスウンド飛行場で新春飛行会で新しい主翼でテスト・フライトしました。重心位置は変えず(下翼の前縁部分)、前入れていたラダー→エルロン、スロットル→エレベータのミキシングはOFFにして、エレベータトリムは中立としました。

離陸は特に変化はない感じである(しかし、離陸時のラダーのあて舵は必要)。上空に上がると、アップ癖とじゃっかん右へ、中スローでトリムダウン、エルロンを左トリムと調整しながら水平飛行となりました。やっぱり上/下翼の取り付け角度の影響か?、前(クラークYの翼)はパワーをかけるとよりアップ癖となりましたが、今回はこの癖はなくなりました。

・まずはローパス
低速安定は特に悪くなった感じもなく、前とそう変わらない感じです。ぶ太い胴体にパイロットが乗っている姿がなんかとてもカッコイイ。(満足!満足!)
・次はナイフエッジ
上反角を少なくしたのでラダーのあて舵による起き癖が直ることを期待しましたが、結局は前の翼と同じで起き癖が発生しました。(まったく前と同じ感じです)結局はラダー→エルロンのミキシングは必要と判断しました。上反角を0にしたらどうなるかですが、もう作り直す気力はありません。
・次は背面飛行
以前はかなりのダウンが必要でした。今回は改善されると思っていましたが、背面飛行してみても前と同じぐらいのダウン量が必要でした。(重心位置の問題があるかもしれません)

ここまでは「手間をかけて主翼を作り変えた意味がほとんどないのではないか!?」と思いながら...

・次はロール
なんか軸の通りがいいロールができます。フォーポイント・ロールももとても軸の通りがいいです。感激しました。(これは「主翼を作り変えた意味はありそう〜!」と明るい見通し)
・次は宙返り
前は機首が上に向いた時点からパワーをかけるとトルクかPファクターかで機体が傾き奇麗なループができなかったが、今回はとくに傾くとこなく、奇麗にループができます。(これは「主翼を作り変えた意味は絶対あるぞ〜!」確信した)
・次は逆宙返り
上空からの逆宙返りは恐いので、背面からの逆宙返りですが、問題なくできました。
・次はミキシングONでナイフエッジ
ナイフエッジ飛行はアップ癖です。これは、重心位置が前過ぎるかもしれません。エレベータ・ダウンのあて舵をしてみてのナイフエッジをしてみました。なかなかカッコイイ。もっと低空でできたら、まさしくロック岩崎のナイフエッジ飛行と同じです。80%スロットルで十分の浮きがあります。ぶ太い胴体がいいのでしょう。ナイフエッジでのアップ癖を直せばアクロ飛行はあとは腕次第となりより飛ばしやすくなります。(飛ばしやすいといっても、パターン機から比べればまだまだ全然飛ばしずらいです)

あと、4回ほどフライトしましたが、前よりは離陸がしやすくなった感じです。主翼の翼型を変えることによりどういう要因で改善されているのかわかりません。プロペラ後流の影響が変わったのか?、なんでしょうか?

このキットを購入されて、ある程度のアクロを目指す方には主翼を完全対称に作りかえることをお勧めします。

Pitts S1 >  1.生地完 |  2.カラーリング |  3.初フライト |  4.主翼の作直し |  5.パイロットとリベット |  6.主翼取り付け角度 |  7.速度計 |  8.Li-Feに |  9.ストロボライト |  10.修理と機首 |  11.ラダーにジャイロ |  12.フライト動画 |  13.主翼修理