VARI EZE(製作:黒澤)- かとうさん
実はこのVARI EZEは友人のかとうさんが購入していたキットを私(くろさわ)が作成したものです。以前、同じ先尾翼機のTRI-STARを飛ばしましたがいまいち不安定な飛びだった為、このキットの飛びはどうか比較をしたく作成させてもらいました。2000年の春の集いで初飛行して、その後はキットの所有者である加藤さんの所へいってしまいました。どこかの店に飾ってあるかもしれません。
この先尾翼は実際にホームビルド機として実機でもあります。実機も上記のようにノーズギヤを引き込め、地面に付けた状態で駐機しています。なぜかなと思いましたが、重心位置が主翼の前縁の延長線上のあり(先尾翼は重心位置が前よりになっている)、実機でも、模型でも、人間、バッテリが乗らない状態で、ノーズギヤを出して置いておくと後ろにひっくり返ってしまうからでしょう。
また、数多くの種類があるようです。インターネット上にもいくつかのサイトがあります。その中で教えてもらったり、見つけたサイトを紹介しておきます。
- Long EZE −数多くの種類の中でロング・イージーのサイト
- Velocity Aircraft −先尾翼のメーカのサイト
データ
全長 | 950mm(胴体のみの長さ) |
---|---|
翼幅 | 1420mm |
翼面積 | 34m2 |
全備重量 | 1830g |
モータ | ダイナテック02H |
ギヤ | 京商ギヤダウンユニット0.4モジュールに改造 |
ギヤ比 | 3.8:1 |
ペラ | Eprop 10.5×8 |
バッテリ | 7セル 1250mA |
サーボ | 3101×5(エルロン×2,エレベータ×1, 引き込み用、ノーズ・ステアリング用) |
スピコン | シュルツェ50be |
受信機 | ジンプロップPIKO 2000 |
実機はノーズギヤが引き込み式です。実機と同様にロバートのマイクロギヤを使い、引き込み方式にしました。ノーズのタイヤは35mmのスポンジタイヤです。タキシング可能とするため、それようのサーボも積みました。
後輪のタイヤは40mmのスポンジタイヤです。スパッツはQRPからでているスパッツですが、このスパッツは35mm仕様ですが、40mmタイヤが入るように加工して追加ました。左右の主翼は取り外し可能となっています。
製作について
このキットは主翼は発泡スチロールでフルバルサプランクです。0.5mmぐらいの薄くちょっと固めのバルサで既にプランク済みで、エルロン分もカットされ、サンディング済みです。既に奇麗にサンディングされいるので、フィルムを貼る前にちょこっと仕上げにサンディングをしたのみです。胴体はグラス製で完成済みといっていでしょう。
製作前の各部品の重量
部品 | 重量(g) |
---|---|
胴体 | 461 |
胴体内の枠 | 61 |
その他部品 | 68 |
エレベータ | 63 |
キャノピー | 115 |
主翼取付け金具 | 70 |
ノーズギヤ (ロバートマイクロギヤ) |
24 |
タイヤ(3個) | 32 |
スピンナー | 10 |
垂直尾翼 | 30 |
主翼 | 186 |
合計 | 約1,100g |
これにモータ等が追加されるので
部品 | 重量(g) |
---|---|
モータ(02H) | 180 |
受信機 | 30 |
サーボ(5サーボ) | 100 |
ペラ | 20 |
フィルム | 50 |
合計 | 360g |
これからを追加すると1,500gとなります。またこれにバッテリが追加されるので全備重量の予測は以下のようになりました。あくまで単純計算です。
バッテリ | バッテリ重量(g) | 予想全備重量(g) |
---|---|---|
10セル1250mA | 451 | 1950 |
7セル2000mA | 416 | 1910 |
7セル1250mA | 320 | 1820 |
このキットには全備重量が1900gとありましたが、まさしくその通りになりそうですし、それ以上軽量化は無理な感じです。02Hで1800gが飛ぶのか(離陸するか)不安でしたが、ペラサイズがこれ以上大きくできないので、後はバッテリを1250mAを使って飛ばしてみようということにしました。グライダーだと思えば、ゆっくりでも飛ぶだろうとの判断です。胴体がグラスで460gもありちょっと重たい感じです。水平尾翼も10mm厚のムクのバルサをクラークYの翼型に既に削ってあるものです。また、垂直尾翼も前縁部分は既に削ってあったり、丁寧なキットだなという感じです。主翼は直径6mm(だったと思う)の鉄棒で支える方法で、左右の主翼をバネで引っ張って取り付つける方法としました。フィルムは上面はオラカバ(ドライ)白、下面はオラライトとしました。今回は10.5×8のペラを使うとキットのままではちょっとノーズを上げただけでペラが地面についてしまうので、メインギヤはもう少し胴体の位置を高くするよう作り直しました。
●初飛行
2000年春の電動機の集いで初飛行をしました。初飛行のパイロットはもちろん、私です。このキットを作らしてもらう条件に初飛行させてもらうということになっていました。落としてはまずいので緊張がより高まりました。パワー的に余裕がないのと、前輪が35mmと小さいので、尾島のような奇麗な滑走路でないと離陸しないでしょう。エレベータがちょっと小さいかなと感じつつ、設計書通りに上下5mmとしておきました。尾島の飛行場であればじっくりと機速が付けられるので多分離陸はできるだろうと思っていました。重心位置もキット通りです。
パワーを上げて滑走してゆき、そろそろ機速も上がり、エレベータを徐々にアップする。しかし、なかなか機首が上がらず、もう滑走路の隅にさしかかったところでゆっくりと上昇、その時のエレベータはフルアップでした。そのままゆっくりと上昇し(それでもエレベータはフルアップ状態)、その後、左旋回させようとしましたが、フルアップ状態での旋回となってしまいました。旋回の最後のほうでは機首を下げ(この時でもエレベータはフルアップ状態)パイロットは内心「地上に激突してしまうぞ〜、あ〜!、どうしよ!」、その時見ている人はそんな私の状態を知らず、飛んだぞ〜と見ています。どうにかぎりぎり旋回をクリアして友人に来てもらって、トリムをフルアップにしてもらって水平飛行して(それでもエレベータはフルアップ状態に近い)、パワーは十分な感じです。すぐに着陸進入して無事に着陸しました。ひやひやもんのノーズを引き込める暇もない初飛行でした。風が強かったにもかかわらず、安定した飛びでした。かなり前重心にして、水平尾翼も主翼の一部とした感じにしたほうが安定するように思いました。
2回目の飛行
初飛行ではゆっくりとノーズを引き込め飛んでいる姿を眺める余裕もなかったので、再度、調整し、2回目の飛行にトライしました。で、さてどうしようと悩みました。重心位置を後ろにすべきか、水平尾翼の角度をもっと上げるべきか、先尾翼機の場合、重心位置はデリケートで後ろにするには要注意です。本来なら、重心位置はこの位置でいい感じです。で、悩んだ末、水平尾翼の取付け部分にテープを張って水平尾翼の角度のアップ、それと、バッテリを少し後ろへ移動して、重心位置をほんの少し(多分2,3mm程度)移動しました。
2回目の飛行です。パワーを上げて機速が上がってエレベータをゆっくりと引くと機首が徐々の上がり、ゆっくりと上昇して離陸しました。今度はエレベータはちょうどいい感じで、ニュートラルで水平飛行が可能です。しかし、TRI-STARのようにフラフラと飛ぶようになりました。(やっぱり重心位置が後ろ過ぎ、もっと前にすれば、より安定することが分かりました)心配されたパワーも十分なようで中スローで水平飛行が可能のです。ノーズを引き込め、ローパスです。なかなかカッコイイです。この姿が見たかったのです。何度かローパス後、着陸です。丁寧に降ろさなければと思いつつ、最後はふらついて、ノーズから、ドスンといってしまい、ノーズギヤのストッパーを折って、ノーズでずりずり〜の着陸となってしまいした。あ〜やってしまった。でも軽症な部類。
最後に
1800gのものを02Hで飛ぶか心配でしたが、普通に飛ばすだけなら十分かもしれません。しかし、余裕のあるパワーではないので、離陸には滑走距離(30m以上)が必要でしょう。VARI EZEは後退角の付いた主翼で優雅なスタイリングがとてもいいですね。
友人の電動機に戻る